信州大学医学部 耳鼻咽喉科学教室

難聴の遺伝学的検査- 専門外来 -

信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室では、以前より「難聴の遺伝子解析と臨床応用に関する研究」を進めてまいりました。共同研究では、5000例を超える難聴患者の遺伝子解析を行い、多くの難聴の原因遺伝子を特定するとともに、その原因遺伝子ごとに症状が異なることを明らかにしてまいりました。

そこで、信州大学では研究成果の社会的な還元の第一歩として、厚生労働省に先進医療として申請を行い、2008年7月に「先天性難聴の遺伝子診断」が先進医療として認められました。平成24年度保険点数改定により、先天性難聴の遺伝子診断のニーズ・有効性が認められ、保険診療「遺伝学的検査(先天性難聴)」として13遺伝子46変異のスクリーニング検査が実施することが可能となり、現在までに全国で2000例以上の検査が実施されております。

しかし、難聴に関与するとされる遺伝子は100種類ぐらいあるとされ、従来の方法では効率的に解析することに限りもありました。

当科とサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社は、次世代シークエンサーを用いた難聴の遺伝子解析技術を共同研究によって構築し、解析遺伝子数を19種類、変異数を154ヶ所と大幅に増やすことで確定診断率を従来法よりも 10%以上向上させることに成功しました。

次世代シークエンサーを用いた遺伝学的検査を保険診療で実施するのは世界初であり、検査の実施により、今後先天性難聴の遺伝子診断における診断率の向上に繋がることが期待されます。今後も先天性難聴の遺伝子検査分野をリードできるよう一層尽力してまいります。

遺伝学的検査により難聴の原因が明らかになった場合、難聴の程度や将来、難聴が悪化するかなどについての予測が可能となります。また、随伴する他の症状 など臨床上有益な情報を得ることが出来ます。また、適切な治療法を選択するための判断材料のひとつとして利用することが出来ます。また、この遺伝学的検査 (先天性難聴)では、遺伝カウンセリングとともに結果を返し、その際に再発率や遺伝に関する不安などに関して相談することが出来るようになっているのも大きな特徴のひとつです。

検査希望の方は外来へお問い合わせください。また難聴外来の担当医師よりご案内する場合もございます。

検査の詳細に関しましては、下記リンクより検査の説明書(患者さん向け)をダウンロードしてごらんください。

難聴と遺伝子についてより深く知りたい方は、書籍「きこえと遺伝子」「きこえと遺伝子2」をご覧ください。

難聴遺伝子解析に関する共同研究につきまして(医療関係者の皆様へ)

信州大学では、保険収載された「遺伝学的検査(先天性難聴)」を補完する検査として、難聴の遺伝子解析に関する共同研究を全国の80以上の施設と実施しております。

難聴の遺伝子解析に関する共同研究では、保険収載された遺伝学的検査に含まれていない、他の遺伝子や遺伝子変異を解析することで、診断率の向上を図っております。また、次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析も行っており、パイロット研究では、70%以上の患者さんから遺伝子変異を見出すことが可能であることを確認しております。

このように、共同研究により診断率の向上が見込めるだけでなく、予後予測などの臨床上の有効性が期待できますので、ぜひ共同研究にお申し込み下さい。共同研究をご希望の医療機関・研究機関の方は資料をお送りさせていただきますので、電子メールにてお問い合わせ下さい。

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