高度難聴のお子様には、より良い聞こえのために、
“早期”に“両側同時”に人工内耳手術を行っています!
「診断〜手術〜ハビリテーション」の一貫したプログラムを構築し、
長野県全体で取り組んでいます。
生まれつきの難聴(先天性難聴)は1,000人に1人とされる比較的頻度の高い疾患です。
新生児聴覚スクリーニングの普及に伴い、出生直後に「難聴に疑いがある」と聞かされ、不安に思ってらっしゃる方が多いと思います。
当科では聴覚を最大限活用するべく、遺伝学的検査を含めた正確な診断、また治療介入が必要な場合はできるだけ早期の補聴器装用、および人工内耳手術を全国に先駆けて行ってまいりました。
また下図のように居住地に応じた検査や診断、支援の体制を県と連携し整えています。

このように長野県全体で早期診断、早期介入に取り組んでおりますが、ただ単純に早く診断して手術をすればすべてが解決する訳ではありません。手術と同じ、もしくはそれ以上に手術前の準備と手術後のリハビリテーションが必要と考えております。連携施設である 信州きこえとことばのセンター やまびこ が 長野県 難聴児支援センター とともに「ファミリーセミナー」を定期的に開催し、「きこえのしくみ」「難聴の原因と治療」「人工内耳」「ハビリテーションの重要性」につき説明し、きこえに対する理解を深めていただく機会を設けております。
「診断」は信州大学と みやがわクリニック、「手術」は信州大学、「マッピング・ハビリテーション」は 信州きこえとことばのセンター やまびこ と みやがわクリニック で行っております。
高度難聴のお子様に対する「検査〜診断〜手術〜ハビリテーション」のロードマップ

- *1
新生児聴覚スクリーニングにて要精査(精密検査が必要)と判断されれば、脳波の検査(ABRやASSR)を組み合わせて「難聴であるかどうかの診断」、および「難聴であればどの程度なのか」を正確に診断いたします。
- *2
軽度であれば、きこえの程度や発達検査結果を考慮に入れた上で、補聴器装用を行っていただきます。
- *3
中等度・高度・重度であれば、生後3〜4ヶ月より補聴器装用を開始し、できるだけ早い時期から音刺激を入れてあげることにより耳〜脳までの聞こえの神経のネットワーク形成をうながします。また補聴器装用のみで会話音域に必要な刺激を入れることが困難であるケースには、人工内耳の説明を随時行ってまいります。
- *4
信州きこえとことばのセンター やまびこ が 長野県 難聴児支援センター とともに開催しております。「きこえのしくみ」「難聴の原因と治療」「人工内耳」「ハビリテーションの重要性」などについてお話しし、きこえのことをより皆さまへ知っていただく機会を定期的に設けております。
- *5
当科では小児に対する人工内耳手術はより良い聞こえ(立体的な聞こえ)のための両側装用を早期に提供する目的で「両側同時手術」を基本路線としてご提案しております。
- *6
手術後のマッピング、およびハビリテーションは 信州きこえとことばのセンター やまびこ と みやがわ耳鼻咽喉科きこえクリニック を中心に行っております。遠方のご家族には遠隔指導を提供し、ご家庭でも言語指導が受けられる体制を整えております(詳細は こちら をご覧ください)。